新本堂会館庫裏建立コーナー

幽栖寺 令和の本堂新築事業

 幽栖寺の創立は、薩摩の300年余りの長きにわたる厳しい念仏禁制に耐え抜かれた私たちの先達方が、後世の人々に是非とも仏法を伝えてゆかねばならないという尊い志と情熱に燃えて、明治9年の開教と同時に門徒組織を作り、いち早く明治13年に本堂を建立し蒲生説教所を創設されました。

そして、明治22年にご本尊阿弥陀如来像と共に京都より寺号も移転し、幽栖寺の寺号公称を成し遂げられました。本堂建立より140年にわたりご門徒方は寺を中心に仏法を大切に護り、現在まで歴史を刻んでまいりました。日清・日露、昭和時代の戦中戦後の苦しみの時代もお寺を護り、乗り越えてこられました。

しかしながら、140年の歳月の間には、折々に修理もしてこられましたが、随所に傷みがみられ、また耐震に対しても不安があります。我々門信徒にとりまして心のよりどころであるとともに、代々のご先祖様方が心血を注いで護り伝えてこられた大切な場所であります。次の世代に心のよりどころ、いのちのよりどころとしての幽栖寺をつないでゆくためにもしっかりとした本堂が必要です。

時代が昭和から平成そして令和へと変わってまいりました。時代と共に私たちの生活や社会の様子、お寺を取り巻く状況もずいぶんと変わってきています。昔の方々が大きなご苦労をなされ残してくださったことを思うとき、それをさらに後世へ伝えていく仕事こそ我々の責務と感ずるところであります。140年ぶりの大事業になりますが、幽栖寺の将来にかかわる令和の大事業に対し、皆様のご理解ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。       合掌

令和元年9月26日

  幽栖寺住職  藤谷亜太可

  幽栖寺 門徒総代一同